ふたつの眠りのなかで斃れること

光る崖に被る波を止めて過ぎる時間のなかを通り抜ける
パイプ状の波中を真空にして光になって少しは遠くへ
翔る羽もない、駈ける足は萎えた、鬱陶しい雲が見えなければ
どこでも良いのだが、そんな場所があるのかさえ知ることもない

割れたガラスを踏み割りながら流れる血の分だけくらいなら
命も削られてゆくだろうと、短い道しか与えられず
微かな記憶に漂う森の静けさを愛した気がしたまま
確かめることの情けなさに流す涙さえあったならと、しかし
何も知ることなどなかったし、知る必要すらなかったのだ

与えられずに迎える眠り、与えられて迎える眠り
ふたつの深さ浅さを較べながら眠りからなら遠ざかる
哀しい唄を繰り返すロボットの単調な歌声が
荘厳な教会音楽のように静かにリピートし続けている

だれもいらない、なにもいらない、どこもいらない
いらないものだけを与えられて生きている
色々なことを休みたいまま休むことができず
疲れてゆくが斃れもできない
2015-05-11 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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