腐乱できずに肉は朽ち

雨に溺れてはならない-

そのひとことだけを杖にして雨のなかだけを歩いている。
雨を避けながら雨のなかをあるいている。

陽射は内奥から周縁を目指し、雨は光源を目指す。
雨と光源を結ぶ陽射の紐帯として差し出されるのは肉塊だ。
もう、だれとも出遭うことがないまま、遠い出逢いだけを繰り返している。
詩人なら言うだろうか、
その出逢いは永遠に繰り返される別れだよ-
そのひとことが杖の先を尖らせる、ぬかるみに杖が刺さる。

ぬかるみ深く白い杖が吸いこまれ、二本の杖が吸いこまれ、
あまりにも深く、どこまでも深く、それだけが希望となってしまった。
あまりにも強い希望は絶望に似ているが、少し違うだろう。
実のところ<希望>という言葉を使ってみたかっただけだった。
あらゆる望みなら、すべて叶えられたのだ。

断ち切られた虹の合間から覗く薄暗い空のように、
夜空に似た青空のように、だれかが雨のなかを歩いている。
2015-05-13 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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