雨の遺言

雨に違背する方向に向かうジェット機の
遠い音とともに訪れる夕暮時
喧騒のなかの喧騒、憂鬱のなかの憂鬱、
つまり街角に似た場所
-静かにしてくれないか
もはや、たったそれだけの願いも許されない場所だけが残される
ひとり未満の孤独とふたり以上の孤独に挟撃されて
ひとりきりの孤独は孤立する
-ああ、なぜ黙っていてくれないのだろうか
すこしの沈黙さえあれば、すこしの愛でも消耗してきた
愛の消耗だけでは沈黙は訪れることがなかったが
いったい愛を消耗することができたのか、問われれば怪しいが
腐敗する夕暮れのなかで恋人は、かつてなく美しく
恋人への愛は一瞬で憎しみに身を任せる
夜から昼へと引き渡された時間との取引に従って
雨だけは決して信じてはならない
雨の降る日を、男が光源の裏に還りながら
そう言い残して遺言とした
2015-05-14 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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