等距離だけを求めていると信じているように想うこと

ある言葉を強いるだけで、ある詩法を強いるだけで詩は書けてしまうし、
ある言葉を禁じるだけで、ある詩法を禁じるだけで詩は書けてしまう。
強要と禁止によってだけ書けるものさえ詩と呼ぶのならば、の話である。

詩について話すほど虚しいことはないことを知ったときには詩について語ってみよう。
すべてからの等距離が存在するのなら、そこで語りたいものだと想う。

遠くから押し寄せてくるように錯覚を強いるすべてが私を鋳型に作り変えてしまうが、
元より鋳型で出来ているだけに過ぎなかった。
君が去るだけで私は変形し、君と遇うだけで私は変形し、
それぞれに種々無限の鋳物を零し続けてゆくことができたし、できる。

そういう在り方を私は笑って見送るしかないが、変形の彼方に等距離を夢見よう、
絶望に似た希望と希望に似た絶望と、
それらをない交ぜにしながらどれも似たようにしか見えない午後を気怠く過ごし、
泣くように過ごしながら泣くこともできない。

もし愛について語る機会があったら一瞬間は立ち止まることもあるかもしれないが、
立ち止まりから立ち止まりへと立ち止まっているだけだった。
愛について語り続けるなら、すべては等距離の彼方へと消えるだろう、
それが君の遺言なのだと今でも信じている私がいる。

初出:note.mu(20150524)
2015-05-25 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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