し綴り人の語らい

濁雨の土砂降る日も
旱陽の照る日も
隙間風の凍える日も
白塗雪の積もる日も

 ガツン、ガツン

グイ飲みウヰスキに胃を焼き
咥え煙草に喉を嗄らし
錆びひしゃげたシヤベルを握り

 ガツン、ガツン

掘り出さんものも知らず
掘り方も教わることなく
穴中に響く嘲笑に身を震わせられて
赤い?血にまみれた手で握り締めて

 ガツン、ガツン

これカと想って地上に放れば
いらぬと頭に投げつけ返され
何を掘れば良いかと訊けば
お前が自分で考えろと謂れ

他でも掘ろうかと想えば
青白い大地は呪いを吐きかけ
掘っても良いかと訊けば
勝手なことをするなと謂れ

掘っても無駄だと想い
放られてたシヤベルは不機嫌に黙り
止めても良いかと訊けば
出来るならするが良いと謂れ

 ガツン、ガツン

 ガツン、ガツン

響く歓声をコソリ覗こうとしても
マ暗な穴に慣れた目は何処とも見えず
風に呆けた口を砂利一杯にされて嘲られ
耳鳴る何を掘っている?に脳髄を満たされる

 ガツン、ガツン

 ガツ、ガツ、ガッツン

掘り疲れて這い出せば
ポゥッと座する名無しの群れ
たれぞ、お前どうだと問えば
みな同顔で天を仰ぐ

空も稀には星をまたたかせるので
ホウッと座すれば立つ気も失せるが
何を掘っているのかと問えば
みな同顔で目を丸くするばかり

シンシンと凍る星々に心打たれて見とれていても
やはりどこかで響いている

 ガツン、ガツン

 ガツ、ガツ、ガッツン

 ガツン、ガツン

 ガツ、ガツ、ガッツン

掘ってる音に惚れてるだけかと想うのだが
そんな人間になる化け魔法を
もしや私は迂闊にも?

 ガツン、ガツン

 ガツ、ガツ、ガッツン

 ガツン、ガツン



(初出:2004年12月19日)
2006-09-05 21:20 : 落陽 : コメント : 6 : トラックバック : 0 :
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非公開コメント

ガツン
ガツン、が、ガツン、と、耳に残ります。
ガツ、ガツ、ガッツン、ということは、わりと浅めの場所も、あるのでしょうか。それともちょっと苛々して? 柔らかいのか固いのか、広いのか狭いのか、ガツンで想像したり…。
掘ってる音に惚れるから掘り、掘っているうちにその音も聴こえなくなり、そのうちガツンだけが残る、人が消滅する、そんなフシギな世界を、妄想しましたとさ。
2006-09-05 23:00 : itu:kairou URL : 編集
ガツン2
回廊さん、こんばんは(^^)

>ガツ、ガツ、ガッツン、ということは・・・
うぅ~ぅ・・・ この時は「ガツン」とか「ガツ、ガツ、ガッツン」とか書いてる音だけを追い掛けていたような気が。自分としては「ガツ、ガツ、ガッツン」は、今でもやはり「ガツ、ガツ、ガッツン」なのですが、なぜ、そうなのかは不明です(汗)。

>掘ってる音に惚れるから掘り、掘っているうちにその音も聴こえなくなり、そのうちガツンだけが残る、人が消滅する
ホラーですな・・・ 回廊さんがホラーを書いたら怖いと想うんです(ホント)。登場人物の生存余地がないような。
うぅ・・・怖い・・・
2006-09-05 23:51 : まっく URL : 編集
ガツン3
>音だけを追い掛けていたような気が。

伝わってきましたよん。
だから最後は音だけが残る。それは作者(人物)が消滅したのか、それともズーッと後方に引いて作者(人物)が小さくなって見えなくなって音だけが残って聴こえるのか…、どちらかだろうなぁ、と妄想したのでした。
2006-09-06 07:52 : itu:kairou URL : 編集
ガツン4
回廊さん、こんにちは(^^)

>それは作者(人物)が消滅したのか・・・
どちらかと問われれば、多分、こっちだったような気が・・・。書いてるうちに「ガツン」とかのシヤベルの音だけが響いてて、それを書き写してるというような。
・・・って、わけわかりませんね、相変わらず。orz
一年半も経っているのに進歩ねぇですゎ( ̄▽ ̄;
2006-09-06 10:32 : まっく URL : 編集
オノマトペ
こんにちは
オノマトペはどんな感動詞よりも、直接性を持ちますね。中也のブランコ、賢治の涙が流れる音、太宰のトカトントン……
ぼくには使えないのですよ。マンガの世界は、吹き出しの外にある文字は、全部オノマトペなのですが、子どもはそれを言葉とは思っていません。絵の一部みたいです。
2006-09-06 11:51 : M URL : 編集
オノマトペだらけ
Mさん、こんにちは(^^)
>子どもはそれを言葉とは思っていません。
私の場合、下手をすると「オノマトペだらけ」になりかねないところがあるので自粛しています(汗)。正確な(?)オノマトペ探しに終始してしまうんです。
主に「音」に反応or転化してしまうのだと想うのですが、絵の一部として見れれば別の世界が開けるかもしれません。

>オノマトペはどんな感動詞よりも、直接性を持ちますね。
なぜオノマトペにハマリがちになるのか、なんとなく納得出来ました。今までは語彙や表現力の不足だけに目がいっていたのですが、そればかりではなさそうですね。とはいえMさんの詩などを拝読すると、やはり底浅さの現われのような気がします。orz
2006-09-06 12:19 : まっく URL : 編集
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