違約と支配

すべての違約を引き受ける季節の空のしたで
言葉を引き受けられないまま
預かり先を探す眼鏡の鼻で犬が歩く

手摺りがどこかにはなかったか
記憶の駐車場の向こうでは網フェンスが光っていた
季節を告げるだけの木洩れ日が
君の不在を謳っている

わたしの季節は冷た過ぎたに違いない
生誕の引受先が見当たらないまま
宛先不明の手紙が舞う

君の外延を満たす空虚すべてが
私ではないであろうと
風を吹かせたくはないので
静かな発狂を見送っている

怒り、怒り、怒り、
きっと静かな怒りだけが、
すべてを支配している
怒りだけが私を支配しきっている

初出:note.mu(20150530)
2015-06-03 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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