ラブ、ラブ、ラブ

なにが起きることも許さない今日だった
いつも今日は、なにかが起きることを拒絶した
未来から降る落葉を砕き、ただ過去へと
一葉、一葉を無数の枯葉に変えて

スーパーのレジになら大勢の溌剌と疲弊した顔
その顔のひとつひとつが素晴らしい詩であったので
もう、だれも詩を読む必要がない
もう、だれも詩を書く必要がない
だれかれ区別のつくこともないスーパーのレジになら

そうして「緩いカーブ」と書くわけだが
そのカーブが顔の輪郭であることまでしか分からない
より正確には輪郭よりも断続的な産毛である
ゆっくりと産毛を滑るように歩く指先は
産毛より深くには着地できない

ああ、夜なんだね、君と過ごす夜だ

君と過ごす夜なら白い月に変えて
三日月を知らない夜の空、だ
今日も、なにも起きなかったことは話しただろうか
ただいく十万かの命が去ったり来たりの繰り返し
それ以上は、やはりなにも起きなかった

却下され続けるだけで生き残る愛だと君は言う
却下されることで命を得る愛だと君も言う
今日は永遠にすべてを拒絶し
すべてが今日に愛を与えられ
もう、だれも一篇の詩すら書くことはないし
もう、だれも一篇の詩すら読むことがない

スーパーのレジになら、あまりにも無惨に、
無数の詩が並び過ぎている
そのことを伝えてから緩いカーブを巡ると
ゆるやかな天井扇の風より強く
君が今日を喘ぎながら、すべてを愉悦に変えてゆく

初出:note.mu(20150528)
2015-06-07 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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