川に与える理由を与えられるだろう

乾いたまま流れる川
空を水平に見つめていると唐突に想い浮かぶ
見つめていたというより視界に入っていただけだが
川は水に飢えていて、そして水に満ちていた

都会の電車口が開くと
信じられないほどのひとが吐き出されたように降車し
飲み込まれるように乗車する
電車はひとを食っては吐き、食っては吐きを繰り返す
そこに川はなく、流れも見当たらない

むしろ想い出すのは地下を抜けた地下鉄
その先頭車両の特等席から見る伸びゆく線路だ
動かない、しかし動いている
滑らかに滔々と流れている

乾いたまま流れる川
もし喩えるなら、あの線路
あらゆる感情から解放され意志を廃棄し
累々と積み重ねられながら唯、乾きゆく
乾いたまま累々と積み重ねられてゆく

ぼくたちが季節を望むなら、どんな季節も訪れる
やがてぼくたちが知らない季節さえ訪れる
風のなか、風のそと、だれの風、きみの風
ぼくは風になることができないまま
そのときに静かに従って、ただの川に横たわる

初出:note.mu(20150601)
2015-06-10 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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