だから朝露と、並木道でならすれ違うだろうから

きみの影が見えない陽炎となって照らす夕暮れから昼に向かって少し戻り、もう少し戻り、朝露に光る星を拾うときみを喪うだろう
そして、もうそれだけで満足する、まるで星を見たことのない夜を知るように満足する
だれかが拾い集めた季節を枝にかけながら歩いた並木道ですれ違おう
そのうちの、いっぽんだけの木を探して、すれ違うためのいっぽんだけの木を
明るい陽射しを憶えているだけで熔けてしまうだろう?
そんなものだと言ったことがあっただろう?
手紙を書けば封筒が燃えてしまうから封筒だけを送るように言ったじゃないか
だから、もういちどだけ、並木道ですれ違おうよ
もう、こんなにも遅い時間だ、夕暮れを覚えてもいないけれど、きっと遅い時間だ
こんな時間には月明かりのなかにきみが燃えている
その炎の色を、白や青と呼ぶのは、ひどく簡単すぎてきみは怒るだろう
だから炎の色は知らない
だけど、こんな時間なら月明かりがなくたってきみは燃えている
翌朝の朝露の影に戻るために、光を喪った星になるために
あるいは愛したかもしれないはずの微笑が燃えている

初出:note.mu(20150603)
2015-06-12 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補