暗がりは遠さのなかに見えない

遠さを暗さに変えて、ここからはなにも見えない
古くもない記憶さえなにも見えない
かすかに聴こえるように聴こえない歌が通りすぎる
瞳に触れそうな距離さえ遠すぎて通りすぎる
瞳を切り裂かれても気づかない距離で遠すぎて通りすぎる
遠い、すべてが遠くて遠すぎて安堵する
こんなときに想い出すだろうはずの君もいない
どの君も覚えていないし想いだすこともできない
うっすらと浮かぶのは灰色の水平線の際に似た
いくつもの季節を混ぜたような遠い不透明な、
ああ、分からない、それも分からない
想いだせないし覚えてもいそうにない
記憶から遠すぎる距離でだけ、そう
あらゆる記憶から遠すぎる距離でだけ
かすかに鳴くようにゆったりと羽を振る
一羽の鳥の幻がスクリーンに映るかもしれない
だれにも見えないように瞬間をぼんやりと過ぎる気がする
そんな一羽の鳥の幻すらも消え
ここで静かに暗さが増してゆくままに
すべてとともに暗がりに消えてゆく

初出:note.mu(20150603)
2015-06-14 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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