きみのいる空、いない空

きみを想い出す時間を抱いた
そこに置きたかった夕暮を知らないまま
星だけが満ちた夜のはずの空
ふたりが並ぶと海のうえにひろがった空
段々に見晴らしを良くする菜の花畑のように
きみとの会話にはすべてを忘れさせるものがある
だからいつでも季節は冬だった
夜空という夜空を探しながら星だけと出遭い
段々の菜の花畑をはぐれながら上り
ようやく下りを見つけたかもしれないと
振りかえればきみはいない
それでも鼻唄のひとつでも覚えながら
そんな風に想いながら
きみのことを忘れるための
段々畑を下ってゆく
ひとかけらづつ星が堕ちてゆく
空が夜を取り戻してゆく
夜から夕暮へと戻ってゆく
きみを想い出せない時間を抱きしめる
その季節も冬だった
秋に似た冬だったとだけ
書置きに似たなにかを残しておいた
そう、記憶した

初出:note.mu(20150606)
2015-06-18 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補