我らの分水嶺を存在せしめよ

分かれるために出会った分水嶺で別れることができない
分かれたまま別れることができない
出会いが偶然であるように別れは物理的必然に従うだろう
焦ることもなく増してゆくばかりの重力量なら
ちょうど分水嶺を目指して分水嶺に切り裂かれゆこうとしている
別れずに分かれるために私たちは私を複数に
あるいは二の累乗的に
あるいは四つに分かれてから二つに収束する
不思議な細胞分裂でもするかのように
それらすべての現象に興味を向ける必要はないし
興味を向ける気にもならない
むしろ今、問うべきなのは我らの分水嶺がどこにあるのか
我らの分水嶺はほんとうに存在するのか
いつまでも向かい合ったままの私たちが
出会う前にまでさかのぼりながら思案を重ねている
「分水嶺は確かにあったはずだ」
きみが言うように私も言う
なんなら歴史も言うだろうし、昼と夜も言うだろう
首をかしげながら言うだろう
「分水嶺なら確かにあったはずだ」
いま私たちは我らの分水嶺を見出さねばならない
異なる水脈をゆくためだけに
ただそれだけのためにしか出会うことができない我らのために
私たちは我らの分水嶺を見出さねばならない
なんなら協働して分水嶺を作り出さねばならない
地下水脈となり低く低く標高を喪うまで流れゆくために
そこが終点だとしてなにが私たちを待ち受けているのか
それを知るためだけにでも我らは分水嶺を必要とする

初出:note.mu(20150607)
2015-06-19 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補