比喩に遠すぎる場所で記憶を結べば、きみをみることができただろうか

もうすこし遠く離れてから語るべきことが多すぎて
遠ざかりを待っていると、なにも語ることができない
その無言を愛することも考えてはみたが
遠く離れてしまったときには忘れているだろう
すでに記憶の外延を零れ落ちているだろう
だから、その縁をなぞるように語るわけだが
それでも輪郭の怪しい陽炎だけが闇夜に浮かぶばかりなので
別のことを語るしかない
そうして今を今として語らずに過ぎてゆくきみを
自分のように見ながら歩き続ける影を追っている
せめて巧みな比喩の距離を保つことができたのならば
それはひとつの詩にもなるのだろう
あるいはひとつの愛にもなるのだろう
そう、分かっていても手元には比喩がない
降らない雨にさえ壊れてしまったことばの欠片を拾うように
ただ黙って並べることしかできない
それで良いじゃないか、と語り掛けるひともいない

初出:note.mu(20150608)
2015-06-21 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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