ある雨の日の夜のエピソードとして

否定では弱すぎる季節を拒否する季節で覆いながら
拒絶だけを傾斜に変える坂道を歩いている
フェンスが網になると見通すことが容易になった向こう側は
たどり着くことの不可能性でしかなかったのだが

網フェンスにひっかるように身をもたせかけていると
横に転がってしまい縦に転がることを忘れてしまいそうだ、
そういって笑うきみを愛していた
縦に横に転がりながら私たちは愛を方々に放り捨てていた
それしかやることがなかったからだ
あるいはクモが蝶を絡め捕るのに似ているだろう、それは

クモは種類によってさまざまに糸を使うと聞いた
土中にもぐるためのふたを作るもの、
投げ縄のように放るもの、
普通に巣を張ってただ待つもの
愛は私たちを絡めとろうとする策略のすべてを網羅するね

さあ、否定、拒否、拒絶…
そのようなものたちだけでは語れないこと
そういうことを語り始める時期すら訪れることだろう
その強度を私たちが獲得するまでは待ってもらいたいものだが

知っていたかい、あの網フェンス
ちょっとした工夫で破れるものらしい、あるいは穴もあるらしい…
そうして長い長い坂道を下りながら、
私たちの無為な傷つけあいだけが生きている
私たちの死を迎え入れるためだけに季節は、色を変えている

初出:note.mu(20150609)
2015-06-22 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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