ただ哀しむためだけに

もし穏やかなだけの昼であれば夕暮れの遠ざかりは愛しいだろう
穏やかさを愛するひとにとっては愛しいだろう
そこに幾重にも複雑な論理が機能しているとしても
そのことを、まったく知りもしなくても、知っていたとしても
そのひとにとっては愛しいだろう

それは哀しいことだ、とても哀しいことだ

しかし哀しいことがなかったならば私たちは
まるで決められた動きだけしかできないロボットでしかあり得ない
だから哀しみに見舞われることはロボットになることへの拒絶現象だ

愛しいものに恵まれないこと、報われない愛だけを抱いてしまうこと
それらすべて、もし哀しみになるのだとしたら
私は多分、まだロボットではないのだろう

夕暮れが一日、一日と遠ざかってゆく季節のなかで
穏やかな昼の光を浴びながら
それでも私は哀しむのだ、ただ哀しむためだけのために、哀しむのだ

初出:note.mu(20150610)
2015-06-25 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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