恋に遠く、友に遠く

都心から、一時間もかからない駅に借りたアパート。
ピカピカの新しさはなくても 嬉しくワクワクするものだ。
そのワクワクは、今でも胸に蘇る。

1DKは、新しい二人には丁度良い。
どこにいても 互いの息遣いが聴こえる。
一人でいても、君の香りがする。

腰が落ち着いた新居の周囲は 自転車で巡るに相応しく、
色鮮やかな人模様、家族模様に幼目を魅かれたものだ。

探検好きな君が見つけた 駅から離れた居酒屋は、
田舎には珍しいほど手狭だったものだ。

小奇麗な店内に夫婦が忙しく立ち回り、
冷えたビールがケースから粛々と旅立っていた。

あの時を今でも覚えているだろうか?
カウンター向こうのマスターに想い想いのものを頼み、
ニコニコと過ごすのが何よりも楽しかった週末。

隣席の君は、恋を語るには遠く、友情を語るにも遠く。
遠く離れているはずの君が、なによりも近しい人に想えたものだよ。

あのカウンターの席の間には、
不思議ななにかがあったのかも知れない。
今でも、こうしてあるように。



(初出:2004年12月22日)
2006-09-06 12:28 : 落陽 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :
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距離
きっと心地よい距離だったのでしょうね。
恋が愛に変わり夫婦となってまた形を変える。
それでも仲のいい二人には変わりなかったのでしょうね。
2006-09-06 20:17 : ajisai URL : 編集
ajisaiさん、こんばんは(^^)

>それでも仲のいい二人には変わりなかったのでしょうね。
実は、私は仲が良い・悪いというのがピンと来ないのです(^^;
(会社などの)拘束関係がなければ好き・嫌いだけで距離を築けば良いし、拘束関係のある中では好き嫌いにあまり意味はない、と想っていたので。でも、周囲からは「仲が良い」と言われてるので、取り敢えずは無事なのだろう(?)と。
近過ぎると、時に人間関係は難しくなりますね。
2006-09-06 21:15 : まっく URL : 編集
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