笑い(声)だけが響く季節のように、きみを探した

きみへの愛を感じるたびに、きみへの愛を喪っていった。

そのことを感じながら夜風に吹かれていた。海から遠く離れた小さな部屋のなかで海から吹く夜風に吹かれていた。
もう、きみを想い出そうとすることはないだろう。そうして想い出すのだ、伏流水が夾雑物を喪いながら清らかを装う湧水として静かに湧き出るように。

街灯と街灯との間に夜は住まう。
そのことを知るまでに、幾晩かはきみと過ごしたはずだった。
もう少しだけ正確には夜を歩いたはずだった。

街灯と街灯との間でだけ指を絡め、息を熱くしたが街灯の間隔は短過ぎて指が絡むことはなかったし、息の熱さを感じる距離にまで近づくこともなかった。
そうして正確な夜を歩いたはずだった。

ぼくたちの取り戻そうとした季節がやってくる。
いつでも取り戻そうとした季節がやってくる。
そうして取りこぼしている間に取り戻す季節ばかりが増えてゆき、きみは笑う。
泣き方を覚えることをしなかったきみは笑う。
ぼくも笑う。

ぼくたちは無数の季節を前に、ただ、笑う。

初出:BlogSpot(20150625)
2015-07-13 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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