家々の間で生起する、ほんの少しのこと

家々のあいだの冷たい隙間を通り抜けると知らない舗装道にでる。
そこで、もう逃げられない気分になる。
そこがすべての終点であったような気分になる。
どこにでも繋がっている終点のような気分になる。
ふさがれた空、どこにでも行ける舗装道、だれも通ることがない道。
人影を忘れたように映すことがない道。

夕暮れの猫が何事もなかったように塀上をしなやかに歩いてゆく。
それを見送るだけで<自由に斃れる>ことができた。
兵士は、いつ兵士であることを知るのか、それは斃れるときだ。
斃れながら<一兵士>でしかなかったことを知る。
空は空でしかないが、空以外の何ものでもあり得た。
斃れる兵士は、ただ斃れるだけの<一兵士>以外のなにものにもなり得ない。

家々を通りすぎて夜が訪れる。
あの猫も巣に戻る夜が訪れる。
舗装道からの戻り道は見つからない。
猫を追う夜を見つめながら、
進む道を戻る道としてとぼとぼと歩くしかない。
夜は嫌いな時間だった。

初出:BlogSpot(20150625)
2015-07-14 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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