それ以外

今日は雨、雨音については書くまいと想った。雨、雨音以外のことをすべて書こうと想った(それらの可能性として)。雨は雨以外のすべてだし、雨音は雨音以外のすべてだし、そういうことで良いじゃないか、そういう投げやりな日だったからだ。
雨について語るひとは雨以外について語るひとだが、雨の中心は雨音を聴く。雨音について語るひとは雨音以外について語るひとだが、雨音の中心は雨に濡れる。そういうことでもあるかもしれない。
「冷たいのは雨ではなくてきみだ」
そう伝えたい女性がいたが、雨の日に逢ったのを最後に忘れてしまった、そういう想い出をひとつは持っているべきだった。持っていない想い出は作れば良い。人生は忘れられた想い出だけが生きている。
きみの街には雨が降っているだろうか、それ以外に困ったことはないだろうか。
「雨が降っていること以外、困ったことばかりだわ」
そういうきみと雨を見たこともなければ雨音を聴いたこともない、私たちには出逢うことがないし出逢いがない。雨音が降るように雨が聴こえているのならば、だが。つまり、それが雨について、雨音について書かないことだった。

初出:Tumblr(03/07/2015)
2015-07-18 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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