愛の生成する日々、花を眠るように告げること

壊れていないものを壊れているというように、愛していないものに愛していると告げた。

壊れたままの時計の時間に沿って朝の準備を整え、朝食をとり、満員電車に揺られて仕事をした。昼休みは仕事場近くのテトラポットの上で雨に降られながらコンビニのおにぎりを食べ、二度目の仕事をすると夕暮れないままの夕方を帰った。猫だけが待つ部屋には時計の音が鳴っている、進むに進めない秒針が行ったり来たりをくり返し、それ以上にくり返されるべき日々を追いかけている。

アルコールのない夜をアルコール代わりになるすべてのもので満たして、満たしきれない夜を眠ろうとした。満たしきれない夜だけが残り、満たしきれない夜しかなかった。きみが消えた夜を想い出しながら開け放たれるドアの音を真似て鳴く猫のように眠った。

夢のなかでは進みすぎる時計を追いかけていた。遡行し続ける時計を追う川も渉った。きみの痕跡をあさり続ける犬となって足跡の残らない砂浜を歩き続けた。忘れられない夢にするように夢のなかでだけ目覚めて夢の外で眠った。

愛しているものには愛していないと告げた、壊れているものを壊れていないというように。
愛しているものには、ただ愛していないとだけ告げるだけで愛せた。

初出:BlogSpot(20150710)
2015-07-19 00:00 : カイエ、詩 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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