醜悪賛歌

「分け入った先の聡明」に寄せて

想ひ出すことはなかろうか
勇気を奮って見たれども、見たれども醜悪な
生臭き吐息もて涎を垂らしてジと我を見据える醜悪な

俺を見ろと迫る 奇怪な声に怯へ震ゑ
遠き劫火に焼け爛れて喘ぐ声に耳塞ぎ
せめてもの我を保たむてふ勇気を萎えさせ轟かむ

いつの間に巣食ったかも知れず
怒りを携えた真っ赤な眼に嘘をつくな
さふ言っているてふは気のせいか?

確かに今の私は お前よりも美しい
といへども美しいフリをしているのは私の所為ではない
決して私の所為などではないのだ

哀願しても無表情なままに大口は喰らわむと
その大口のむかふに見えた気がすは何ぞ
美しき賛歌の響きは何ぞ

嗚呼、あなたは草葉の隣の大奥様ではありませぬか?
嗚呼、あなたは草葉の角の旦那様ではありませぬか?

大口のむかふで 皆が笑って手迎へされている
いや来るな、と手振りされている

このままにいて宜しいのでせうか
私はまだ このままにいて宜しいのでせうか

答えなぞないのは とうに分かってはいても
時折はお訊ねしたくなるのです

私は このままにいて宜しいのでせうか



(初出:2004年12月25日)
2006-09-10 21:50 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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