詩人との五時

「ほとんど字が見えないのです」と説明すると少し驚いたようだった。
夢のなかで詩人が会いに来てくれたのだった。

いろいろと話もしたが、わたしにはわたしの言葉の良さがある、とアドバイスされたことを覚えている(そうであってほしいものだ)。

「それを見つけるのは大変、むずかしそうですね」と苦笑した。

痛みで目が覚めたが私は大丈夫、希望もないが絶望もない。ただ緩慢な眠りに向かうだけだ。煙草を一服すると朝五時の光が見えた。

-言葉は日本刀のようだ、美しいが人を斬りもする
 そしてすべての欲望は果たされねばならない、昇華されねばならない-
などと書きとめてベッドに向かうと女房が起きていた。
久しぶりに人に会ってストレスでも感じたんじゃないの、と笑われた。そうかもしれないし、そうではないのかもしれない。
痛みの先には光も闇もない。生きているということは、やはり<苦>なのだ。

光をください、あなたたちの智慧を分けてください。

眠るのも難しい時間になり、朝日が昇り始め、まばゆき痛みを伴う朝陽を浴びた。詩人との別れが知らないうちに訪れていたと気づく。

光をください、あなたの言葉の光をください…

(#)

(初出:2015/10/13 From note)
2016-01-25 00:00 : Zero Areas Ⅰ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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