閉じられた音を与えよう

ノートを開くためにはノートを閉じなくてはならなかった-
海辺が開くのを待つように響くピアノの音を聴きながらきみがいう。
わたしたちのあいだからは永遠に失われてしまった<告げる>ということばを、その意味を、貝殻のひとつが抱きながら深い海に雪となってふるだろう。
風が吹いているわ、歴史よりも疾くすぎる季節のように-
ああ、わたしたちの知っている季節は歴史よりも遅いけれどね-

永遠の凍土を融かすように地中に眠る、その瞳を開くためには永遠を閉じなくてはならなかっただろうが、それを閉じる必要はないだろう。
空が碧いよりも碧く海が輝いてはならない、海が輝くよりも眩く陽が輝いてはならない、きみがきみであるよりもわたしがきみであってはならない。

さぁ、ノートを閉じなさい、ただ、ひたすらにノートを閉じつづけなさい、
けっして開かれることのないように、
もし、そこにノートがあるのなら、
わたしたちは永遠のノートを閉じつづけなければならない、さぁ、

-そうは、想わないだろうか?

(初出:2016/03/01 From note)
2016-03-03 09:06 : Zero Areas Ⅰ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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