時間の鳥は空の畔でうたう

きみが見た夢のなかでは湖をわたる鳥がいて、それを受けとるひとがいて、わたしはそれを見ていたらしい。小鳥のように雛が鳴き鳴き、川を探す、そんな湖の畔だろう、わたしにはそう見えた。
シャープ・ペンシルをガラスにあてて、細い線を描きながら向こうの青空と話している、そんなきみが好きだった。いつも曇り空のしたにいて、木蔭を探しては戸惑い笑う、そんなきみが好きだった。
海をしらないわたしたちには湖が川のように見えたものだ、いまは川が海のようだ、
大きすぎるかなしみを浮かべては、川は海に変わるのよ-
なんとなく覚えている、きみのひとことを、そっと呟きながら波の音を聴く。
とぎれとぎれのレコードも、風にのりくるラジオの音も、みんなどこかで聴いたものばかりだ。
きみの声だけが聴こえないよ。空をまたいでゆく鳥を見あげて、きみと肩寄せあった日々を想うけれど-
さぁ、ぼくたちの眠りの時間がやってくる。
もう戻ることのない、ぼくたちの時間がやってくる。

(初出:2016/03/06 From note)
2016-02-29 00:00 : Zero Areas Ⅰ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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