行先を告げるように季節を呼ぶ

季節を呼ぼう、そういうだけで行先を告げるきみをぼくは知ることができない、知る必要もないだろう。そう、知りたいだけで知る必要はない、すべては、すべてが…
すべてを、が抜けているよね-
いつものように海辺でささやくきみの声が川面に揺れる。
小石を拾うような気持ちで季節を呼ぼうよ-
季節は行先を告げるだけさ、呼んでもきやしないよ-
ぼくたちが行先を告げるんじゃないの-
子どもたちが詮無い会話をくり返して帰路をみうしなっている。
遠くない校庭は無人のまま校庭でありつづけようと固く誓っている。青空には雲の一片が通りすぎるだけで、波音たちは校庭なんてないかのようにとびこえてゆく。
季節になりたい-
そう、つぶやいたきみの笑顔を描いても波がさらってゆく。
いくども、いくども永遠をしるために描かれつづける微笑を、わたしはどうして忘れたのだろう、水平線の行先は、ぼくたちをわたしたちにひきわたす。
そうして暮れる、海辺の十六時、ぼくはわたしには決してならない、そう誓いながら、ひとりのぼくが行先を告げわすれた季節を睨み続けていた。

(初出:2016/03/09 From note)
2016-03-15 00:00 : Zero Areas Ⅰ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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