ぷりーず・ぷろぽーず・もーにん

めざめると天井はみえない、ゆびさきに掛かるシーツをひき寄せようとするとカリカリと軽い音が夜に似た朝を呼び起こそうとする。
わたしたちの涙をわたしの涙にかえようと想いながらいくつかの風景を想いだそうとする。テーブルのうえには千円札がわたしの顔をしてヒラヒラと舞っていて、待っている(誰を?)。
わたしは海を想いだしたくて湖しか想いだせない、もっと想いだそうとすると川しか想いだせない、さらに想いだそうとすると雨しか想いだせない、わたしは雪国育ちではないから。
うん、うん、うん…-
もう数十年前のきみの延々と続くうなづきが木霊する、そこはどこ?
だれもいない部屋の室外機が緩慢に回っていて、波の寄せ返しを真似しているね。わたしたちの傍では室外機が回っていた、そのときも。
遠すぎる、迂遠すぎる、手を繋ぎながら、夕闇に消えた(ように見せかけた)。
お酒の味を覚え始めたかい、そろそろ?
気がつけば太陽が南にかかっている、それがお酒の味だ。もしかしたらばわたしたちは、けっして天井を見ることができないのかもしれない。
天井、そう、天井にむかって呟く、きっときみのことが好きだと、けっして聴こえないように、だれにも聴こえないようにだけ呟く。

(初出:2016/03/15 From note)
2016-03-23 00:00 : Zero Areas Ⅰ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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