雨と星の距離ならば白い鳥よ、見いだして

「雨がふっているときに雨について語るべきではないだろう」
雨音のまにまに舞いおりる雪のように、あなたはつぶやいた、冷たい季節を知らないまま別れた。小雨を嫌う小川の無数の小魚のように都会は人であふれている、けっして溢れることなくあふれている。
雨について語るときには雨はやんでしまう、そう、それだけのために雨にうたれる理由を求めよう、抱きしめたときにだけ震える、その肩を打つ季節を見つめるために。
「…のために」
けっして聴こえることのない点線が延々と線路を分断してゆく路線には、わたしたちが横たわり続けている。非常灯の時間のように横たわり、星をみうしなって空になった空を見あげている。
「この雨は、きみが笑っている聲のようだ」
けっして笑ったところを見たことのない、あなたに向かってつぶやいてみる。
「星たちなら、ほら、わたしの胸にあるわ」
露わにした、けっして豊満ではない胸を波音が洗っていた。
とおくを横ぎる白い鳥を幾羽か置いたまま、わたしたちは季節のない雨になった、星をみうしなった大地になった。

(初出:2016/03/23 From note)
2016-03-31 00:00 : Zero Areas Ⅰ/0 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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