待たせ人

白い手袋が薄いままに指差している先に
赤黒まじった重いカーテンがシンと閉じていた
温まったリノールの湿った音は空気に吸い込まれ
肺一杯に吸い込むと乾いた涙が流れたが
万華鏡の中の君は縦に割れた口を開いて待っていた
遡らない時間を帰るために口づけしようとすると
口を漱いでからよ、と囁く声が足元から響き
揉み消そうとする私の足を捉えて離そうとしない
血を含んだ口中で呟く祈りは私に捧げられ
君に捧げられた私の自由は星に閉じ込められたまま
きっと今夜、君は見上げるだろう
穂を揺らす風のように、藻を揺らす波のように 君は
幾千億もの星が瞬く中から
君は一つの星を見つめるだろう
見えない星となった私の恋は
きっと夜空に流れるまで叶うことはない
だから少しだけ待っていて
ほんの少しだけ待っていて
2006-09-14 21:45 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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