道程

壊れていく世界を支えるために松明を掲げ
剥げた壁絵を一つ一つ塗り直しても、塗り直しても
未来を作るのは、きっと過去であるはずなのに
私には過去がない、過去の記憶がない、だから今がない
いや、今しかない
何人もの人が歩き、作られた道の上に人影はなく
皆、焚火を囲んで立つことを忘れ
僅かな粥をすするばかりで粥の作り方を忘れ
空腹でも道に立とうとした人々は行き倒れて風化し
風化して道を作るが
道は決して風化してはいないと
ただ、歩き方が不器用になっただけだと
滂沱の涙で道を満たして洗い流し
いつか見た天川のように、一粒、一粒
地に血を重ねることが 醜く重ねることが
恐怖したままの私には、時間がない
とにもかくにも、立つことが先決だ
とにもかくにも、歩くことが、先決だ
2006-09-15 18:58 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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