歌を歌おう!

裸足の地図の隣に
空のリュックを抱いて座ると
胸ポケットの煙草ケースが
湿った煙草ケースがクシャリと潰れ
胸ポケットの中でクシャリと

取り出した一本を片手に(僕は)
地図を撫でながら想う
傷付いた足と捨てられたプル・タブを

リュックから取り出したギターは塗装が剥げていたが
今の僕には十分であり
十分でないのは 弾けず歌えずの僕であるわけだが
裸足のままの地図は黙って聞いていた

青空で雲が弾けたとき
その音が乾いた合図になって
裸足の地図は静かにつぶやき歌ったが
それだけだった
人通りは多かったが
それだけだった

プル・タブの缶は、それはどこに行ったか
たれも問わないのが
問わない火が煙草の先に灯り
夕陽に一本、放りながら煙を追うけれど
みんなで黙って追うけれど
やはり、それだけだった
みんなで追ったのだけれど
それだけだった



それだけ、それだけ、それだけ



そう、それだけだった

裸足の地図が泣きながら言った
それだけだってさ
それだけなんだってさ

答えようのない僕は
空のリュックに頭を突っ込んで呟いたよ

そうだね、それだけだね
2006-09-23 17:24 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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