虚空にて

全くに顔を伏せたままの君が青い涙を流すから
確り気持ちを保たなくては、という微想が
すり抜けた先は虚空だという馬鹿げた砂時計の細い管を通って
シャリシャリと音を立てて散って往ってしまう

やはり、ここでも砂は落ちるもので留まるものでなく
一粒一粒、空いていくガラス玉の中の空間が僕であるという
きっと君の青い涙も同じであろうけれど、
もし<きまり>というものがあるとすれば君と僕とは
そういう空間を造り続け永遠に埋められることのない空間を
だから虚空と呼んだ

なぜ愛したものが先に逝くのかを僕達は知らねばいけない
僕達は今この時も、いつも変わりなく虚空を造り続けているということを
愛すれば愛するほど濃くなる虚空というものを
僕達に置き換わる本来の僕達の姿である虚空というものを

僕達のやがての姿である虚空を想い浮かべることが出来ない
今のありのままの僕達の姿である虚空を想い浮かべることが出来ない
だから顔を伏せたまま青い涙を流す君を
僕は愛することが出来ない

誰もが誰をも愛することが出来ないという罪は
全ての人が悲しみの中に埋もれることの赦しであって
悲しまずに愛することが出来ないように
悲しみながら愛することしか、僕には出来ない
2006-09-25 17:09 : 落陽 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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