いつか訪れる夢の中で

たれにも気付かれず街に降る涙が
静謐な水路を伝い集まり
僕と君は小舟に乗って黙ってゆこう

何億光年も凍ったままの哀しみの水路を
小舟に乗って黙ってゆこう
たゆたう倦怠な霧に濡れながら
形を奪われた月光を浴びながら

君の透き通った手が水に触れるたび
水は生き返り、波に戻って消えゆくだろう
君の希望の溜息を受けるなら、
風は霧を抜けるだろう

いつか砂浜に残した僕の足跡が
君の涙で固くなり
その上を歩く幾人かの人とは
きっと、あの岬の灯台で

たった一つきりの星なのに
蒼く照る、たった一つきりの星なのに
なぜに君は捨てたのだ
なぜに僕に捨てたのだ

ほんの小さな星なのに
蒼く泣く、たった一つきりの星なのに
なぜに君は拾ったのだ
なぜに僕に拾ったのだ

決意という呼吸が息苦しい
知らないという眠りが悪夢を生んで
君と僕の出会いの歴史の一つになった
幾千の君との出会いの 幾万の君との別れの
一度も会ったことのない僕達は
そうして分かれるしか、知らなかった
2006-09-25 17:29 : 落陽 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :
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別れというものは、
何時いかなるときでも、たとえ傍から望めばたいした装いの風ではなさそうに見えても、当人たちからすれば儚く、つらいものです。振り返れば、そういう別れと出逢いを随分、繰り返してきたような・・・。想い出が、まっくさんの詩を拝読させていただいて甦りました。私は出来うるならば、もう、そういう別れはいや、ですよ。・・・と念じつつ。風友仁
2006-09-25 19:07 : 風 URL : 編集
わかれ
風さん、こんばんは!(お久し振りです 涙)
「わかれ」に大きく二字あり、「別れ」「分かれ」と。別離の辛さは、身を分かつ辛さ、なのだと想います。「ならば、会いたくなかった」と。でも会いたい、だからこそ別れたくない、ものです。
そして、ご本人が想わずとも、今ぞ別れか?と想わせられるのも、大変に辛いもので御座います。
寒風、身に寄る時節、御大事と御戻りを御祈念申し上げます。
2006-09-25 21:38 : まっく URL : 編集
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