の中にいるのか?

僕は言葉を失って。
それは語るべき時を失うと言うことでもあるのだけれど、真っ白な水平線だけが残った。どこまでも真っ白な、ただただ水平線である水平線だ。水平線を、ただ前にして僕は立っている。ただ立っているだけ。
なのに時間は、やはり過ぎていくことを忘れることはなく。
時間が僕を忘れる、というようなことはあり得ないのだ。
ただ、僕が水平線の前に、真っ白な水平線の前にいるということ。それだけが頼りの屹立は。
雲が動かない。
それなのに時間は確実に過ぎていく。
「過ぎていくこと」がどういうことなのか?それすら分からないのに時間は過ぎていっているのだ。多分、それだけは私の確実な実感、いや、すがれる唯一の幻想的実感であって。
だから
いや、だからではない。それを理由にしたら嘘になる。
嘘?
では、嘘ではないものがあると想うのか、私は?
嘘でないものを誰と共に語ることが出来るのか?その虚しさを、どれだけ経験したら僕は・・・
君の乳首に吸い付きながら流れる涙を吸い、君との僅かな、いや本当はあるはずのない絆を掴んで、掴んだと想って。

きっと遠くでは砲撃の音が響いているのに、僕には聞えないし、聞きたいとも想わない。
砲撃の音が聞えたとしても僕は言葉を失ったままでいることは間違いないようにしか想えないから。
そういったら少しは格好がつくだろうか?それだけの動機にしか、砲撃の音が鼓膜を震わすことだけの力すら宿らない。
信じられるだろうか?
僕は、この腕が、足が空中を飛んでいる瞬間でさえ、僕なのだ。紛れもなく僕でい続けることが出来るのだ。

泣きたいのに涙が流れない、涙が流れているけど泣きたいわけじゃない。
きっと、そういうことなのだと想う。
僕は確かに立っている。
立っているのだけれど言葉を失って立っている。

僕は、確かに立っているのだ。
2006-10-16 17:45 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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