遠い陽光の中に消し忘れられた落書

依拠

消えた昨日と今日の境目で、やはり失われた夢と生きている時間と
もう一人の私と世界とを知ることでも叶わない、届かない果て
数えられるだけの涙は全て数え尽くした
数えられるだけの笑いを全て数え尽くした
そして数えられる私はいない
白い雲を抱いたエアーを吸い込んで眠るだけだ
ダイヤモンドの結晶を舐めたときの舌の痺れを胸に
窓の向こうにいる私と会えない私と
そうして一つ一つ分けていくと私は透き通った光の中に消える
全てを分け尽くして透き通った光の中に消える
数え尽くす世界を、私を
記憶に追いつけないまま、世界は、私は
指先に残るほんのりとした温かさと濁った氷の冷たさと
それら全てが溶ける私の、あの一点と
その一点に灯る、動かない炎を持つ蝋燭と
動かない炎が激しく燃え上がり続け
照らされた全ての影が遠くまで伸びると
静かに時を終える鐘が響くが
私の鼓動は落ち着かず、激しさを増し、喘ぐ息が跳ね
ゆっくりと凪いでいく、あの海のうねりのように静寂に身を委ねるいやらしさに対する嫌悪だけが存在の頼りです。
おとついに見た、地平線に向かう夕雲の記憶だけが頼りです。
ゆっくりと溶けていく飴を口にしながら見た、あの夕雲の。

テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2006/10/28(土) 11:13:53|
  2. 蒼天の落し物
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掌編稿『帰るところにあるまじや』

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  1. 2006/11/01(水) 12:37:54 |
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Author:まっく
想:遠い陽光の中に消し忘れられた落書


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