遠い陽光の中に消し忘れられた落書

ベンチのあった場所

むかし、君とすわったベンチのあった場所にうずくまり
公園沿いの家々の窓からのホンノリの明るさを

子どもらが駆け続ける公園で
電車が訪れるたびに大きくなっていく雑踏を想い
その中にいたはずの君は帰ってはこない

濃紺のグラデーションと眩しい地平線の喘ぐオレンジと
見上げた空には一つだけの星があればいい
懐かしい歌が一つだけ想い出せればいい

こんなに遠くまで来てしまった僕と
きっと行ってしまった君との間には何もない夕暮と
静かなだけになってしまった公園も、いつかは消えるだろう

お互いに光速で遠ざかっていく世界の中で
僕らは出会うことさえなく別れたまま
記憶だけを頼りに想い出す君の笑顔に言い忘れた言葉を握りしめ

むかし、君とすわったベンチのあった場所から立ち上がり

テーマ:詩・想 - ジャンル:小説・文学

  1. 2006/12/07(木) 17:54:31|
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かつての‘はれんち’な恋人たちと、未来の‘異業なる’詩人たちへ。

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  1. 2006/12/08(金) 09:40:36 |
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Author:まっく
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