肉声

昨日の「あ」にならないように(苦笑)。
坂本龍一のエピソードで、知ってる人も多いと想うけど今でも記憶に残っているものがある。
彼の女房は歌手なわけなんだけど、結婚後までも、
しばらくは「歌(肉声)」が嫌いというか、気持ち悪く感じてた、というようなものだった。
確か、TVインタビューかなにかで見たと想う。

その話を聞いてから、納得したことが一つあって、
彼の作品が世評的にはポピュラーに高くなっていってるのに、
ドンドンつまらないものにも感じるようになってきてたことだ。
(何度も繰り返すけど「嫌い」とは違います、はい)
初期(デビュー時)のも何枚か聞いたけど、その頃のほうが「面白い」。

彼は「肉声」を受け入れることが出来るようになった時、
音楽に主張(言葉)を込めるようになってしまったのではないかな、
と感じるようになった。
それまでの彼にとっての「音」というのは、それ自体で世界が構成されてしまうような在り方だったんでは、とも言い換えられる。

よく知られているように、音楽家に限らないけれど「共感覚」というのがあって、
そういう人達の「世界」は、その感覚を持っていない我々とは著しく異なる。
音が色や絵で「見え」たり、見たものが「音」を奏でたりするわけだ。

ここで、坂本龍一が元は共感覚の持主で、
その喪失時・「肉声」の受け入れが生じたとしたら、納得がいく気がするのだ。
もっとも、共感覚と結びつく考えが浮ぶ理由が分からない。
別に、なくても話は通るわけで・・・???

いずれ彼は、その後に「テーマ」のある音楽を出すことが頻繁になった。
戦争反対から環境問題や疎外感に対する癒し的なものなんかもある。
で、ここで村上龍一なんかが絡んだりして、尚のこと「面白くなくなる」。
なんでテーマを感じる彼の音楽がつまらないのかは分からない。

ここで分からない、として終わってしまうのをなんとかしたい気もするのだけど、
「詩と思想 小説と物語」の続編的感想文として、取り敢えず書いておきまっす。

2006-07-30 11:24 : 消去一葉 : コメント : 2 : トラックバック : 0 :
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共生
 詩というものに僕は「共生」みたいなものを、感じる性質です。この場合、「共声」と置き換えてもよいかも。詩というものを読んで、「ああ、作者はこの詩文を編んだとき、もしかしたら今の自分のような心持ちであったのではなかろうか?」なんてまさに読み手の勝手な連想、悲哀感を膨らませてくれる空間の奥深さ。たかだか10数行の言葉群に、僕は自身を照らし合わせ、何事か感慨を抱く人間のひとり、です。

 だからでしょう、そういう感覚に浸れない詩は、翻って哲学思考的な感覚になって、まるで学術書を読むかのような感覚で「この詩は、文体的には、ああでこうで」とか自分なりのまったく勝手な理屈をつけて読み解こうとする。

 僭越ながら、まっくさんに訪れた坂本龍一の初期作と後期作との相違、違和感。テーマが存することによって「ちょっとそれは違うんじゃないの?」みたいな感覚が以前の奥深き坂本の空間を遮断してしまったのではないのかとも想われ・・・・(いや、的外れならごめんなさい)。

 詩は心のもうひとつの「声」とも、よく申します。なかなかに僕も相田みつおの世界にはやはり入り込んでゆけません。「人間だもの」なんだかそれで全ての罪が許されてしまうような・・・・うーん、まだ、僕は修行が足らないのかな?・・・・・・・丈
2006-07-30 13:21 : 美城丈二 URL : 編集
不確実性確実論(爆)
丈さん、こんばんは。

>奥深き坂本の空間を遮断
言葉にすると、そんな感じかもしれません。正直、坂本龍一の初期の曲なんて、全く分からないんですよね。デタラメな音が鳴ってるみたいにも聞える。でも違うんです。ナニカがある(った)んです。
その「ナニカ」は、今のテーマ化した音楽に結実されたようなものでもなくて、もっと荒々しいんです。もちろん、そこには「ただ荒々しい」ものとは一線を画す、音楽家としての緻密な技術もあるんでしょうけれど。

『心のもう一つの「声」』ですか、なるほど・・・
確かに(計算して)創っていくような詩作って、あまり聞いたことがないですよね。そう気付かせないように書いてる人もいるんでしょうけれど。

相田みつをは、私も入り込み難いです。前稿のコメントでも書きましたが、チラッと目にすれば「そうかもね」とは想うのですが、よくよく読むと「・・・」という(^^;
あれは、私などにとっては「見るもの」で書いてある言葉を読むものじゃないのかもしれません。手書きの御品書き・・・なんて出したら怒られるかな(苦笑)?
2006-07-30 20:08 : まっく URL : 編集
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