遠い陽光の中に消し忘れられた落書

主体的意識(未整理稿)

ここで仮に「意識」を「心」と置き換えるなら、東洋では「心身不二」あるいは「心身一如」と古くから言われていることに近いのだが、通常は「身体の意識化」は拡大方向には進まず、むしろ「意識の身体化」とでもいうべき現象の方が圧倒的に身近だ。
例を挙げるなら正座の際に何かに熱中していて”気付いたら”足が痺れていた、というのが典型だろう。このとき、意識が身体にくまなく行き渡っているならば”気付いたら”という事態は生じ得ない。全身に行き渡った意識により、痺れていく様など隈なく気付いているのはずだからだ。
つまり、ここで生じているのは「意識の身体化」とでもいうべき現象の一つで、これが逆に拡大方向に進む事例としては、たとえば昨晩に見た「イチローとバット」の関係などが挙げられよう。
イチローによれば、彼の使用するオリジナル・バットは彼のフィーリングに完全にマッチしていて他人のバットを使用するだけで、そのフィーリングのズレが生じてバッティングに支障をきたすほどだという。それだけバットを我が身のように意識出来る。「(使い慣れた)道具」が、あたかも我が身と感じるほどの意識の拡張現象だ(身体の意識化)。

とはいえ、これらは通常の感覚でいうプラス、マイナス現象の差異はあれども、実際のところ「意識」が「身体」を基準に相対化されているに過ぎない、とも言える。すなわち「意識の身体化」である。
心身症における多くの場合では、心身症は「(無)意識→身体(化)」と考えられていることが多いが、実際はそう簡単な図式では考られないものであって「身体→意識(化)」の症状を呈することもある(それを心身症と称すかは別として。しかも、ここに至ってもなお、意識は身体に隷属するしかない矮小化を余儀なくされている)。

それをして「身体の意識化」と称するならば、既知のこととは言え、我々の知見は未だ「そういう現象が認められる」という端に立ったに過ぎないと言っても過言ではなかろう。確かに精神障害の多くが脳内物質の何らかの異常に原因を認められるとされ始めてはいるが、その先にまで踏み込みうるものなのかどうかについては、一部の異端とも言われかねない医師、研究者が細々と唱えるに過ぎない。

ただ「意識」が「身体」に隷属するばかりでない存在であり得、その先に大きな可能性を見出すならば、そのような意識転換にこそ、目を向けていかねばならない。かかる「主体的意識」のありようをスピリチュアリズムに蹂躙されたままの状況に、やはり私は納得出来ないものを感じざるを得ない。

人間の尊厳とはなにかについては私は分からないが、「主体的意識」とそれとは深い繋がりがある気がするのだ。
そして、やはり私は貴方であり、貴方は私でもあるということは、事実なのだと思う。
ただ、それを知ることが出来ない時が横たわり続けているのが残念でならない。

テーマ:書き残したいこと - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/01/23(水) 17:46:11|
  2. 雑時事想書
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:2
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コメント

お帰りなさい・・・。

お待ちいたしておりました。TB・みっつはあまりの魂の発露ということで(笑)・・・いや、ごめんなさい(苦笑)・・・。ふたつは削除くださいませ。美城
  1. URL |
  2. 2008/01/25(金) 23:06:53 |
  3. 美城丈二 #-
  4. [ 編集]

唯、今・・・(笑)

御無沙汰しております。

いきなりのTBスパムを有難う御座います。www
これは貴重な記念に残しておこうか、と。
いえ、消させて頂きますのでご安心を。

懐かしい記事でした。
私は、浪人時代に夏目漱石の墓所、雑司が谷墓地を不謹慎にも昼飯場にしていたのを思い出します。
漱石を思い起こしながら食ったおにぎりやら・・・当たり前ですが旨さは変わらず、何か変な気がしたのを覚えてます。
思えば、俺はそうそうは死にそうにないな、と思ったのはあの頃かな?などと(^^;
  1. URL |
  2. 2008/01/28(月) 22:51:23 |
  3. まっく⇒丈二さん #-
  4. [ 編集]

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