幻灯(初出:2012年04月04日)

銀白に煙る氷雪原を渡り

厳冬の山複にまで残る足跡を振り返っていると

ポカリと小さく開いた岩窟から囁きが響く

少女が私を過ぎ、岩窟の中から呼び寄せる

小さな火が今にも消えそうに炭に籠り

私は傍らに疲れ、しゃがみこんで息を吹く

息の届いた時だけ少し赤みが増すだけで

私の溜息は増えるばかり

一人、黙って消え行こうとする火を見つめ

傍らにいる人に気付く

凍えた私の手を見つめ、ただ黙って見つめ

さらに反対の傍らにも人が座り

黙々と微笑みながら薪をくべている

向かいではゴソゴソと毛布を探す人がいて

背後には、そっと背中に手を当てる人がいて

小さな火を優しく守るのだ

黙ったままに優しく守るのだ
2012-04-19 13:08 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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