二人の時間(初出:2012年04月28日)

もう指先が触れられる程の遥か遠くで
貴方の髪は星になびき月に揺らぎ
その涙を乗せた睡蓮は
深い眠りに光の記憶を渡すでしょう

その閉じた瞼の先に延びる睫毛に
そっと降り続ける温かな雪は暗闇を摺り抜け
私の想いと共に解けては消え、更に降り
深海の底に沈めたはずの夢の箱を開いて
世界中の空を駆けて大地を覆い尽くすでしょう

神話に封じられた哀しみと優しさの記憶が
振向くとて人もいない街を、ゆっくりと歩み
貴方と私の間をも通り抜けたから
私達の過ちもブランコに乗って揺れていただけで
春を過ぎても散らない桜の花びらのように
星達は囁きを止めることはないでしょう

貴方が、そんなに泣き暮れるなら
きっと夕陽は沈まずに待ち続けてくれてたはずで
届け損ねて手に残った白紙の手紙が
クシャクシャと音を立てて足元に落ちました

光の凍る時間をゼロにしたら
どこまでも遠くに届く記憶を乗せて
彼方で光る夢と託そう
2012-04-29 11:35 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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