窓のない回廊にて(初出:2012年04月30日)

通り雨の季節が土埃の匂いと共に訪れるように
言葉の始原に置き忘れられた闇を漂い、過ぎ
優しい雨音の響く屋根を想うコーヒーは冷め
ストゥールの滑り止めが斜線を求めて抗いを止めない

消し忘れられたラジオは何処に置かれるのだろうか
誰も知らぬ曲が一つ、延々と繰り返され
やがてノイズに変わった時に人は知るのかもしれない

陽の記憶が闇に生れる様に、優しさも鋭い刃に宿るが
眠りに近付いたナイフは静かに土に埋もれ
持主の掌から伝わった温もりだけを頼りに
消え行くことを決意し、黙り込み時を待つ

繰り返す言葉と言葉の間に偽りはないが
ただ偽りだけが記された空間の中で人々の嘆息は、
また言葉に変わらずにはいられず
繰り返してはならない繰り返しの回廊を静々と歩む

与えられたはずの優しさが記憶を通り過ぎ
残されたのは一筋の血を滲ませる傷だけで
昨日から降り続く雨が朱を薄め続け
優しさの痛みだけを残しては、ただ流れ去っていくのだった
2012-05-06 12:18 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
コメントの投稿
非公開コメント

« next  ホーム  prev »

拝啓




Author mak From "空白"

想一葉、兼訪問帳

星々の冷却(書肆侃侃房)
渓谷0年(オンライン版)
Both by mさん

【 無意味という意味 】
すこしの風を追いかけて
【 短文 】
大海にも降る一滴
2015.07.17.

For Admin

落書内検索

月毎落書

一言お報せ

リンクは勝手に頂戴、削除してます
ご迷惑な場合は、ご一報下さい



メール・チェックは非常に稀です


BlogPeople

出現するかもエリア-転記候補