夕景に沈む(初出:2012年05月01日)

ガードレールに凭れた影の輪郭がクッキリとし
優しさを忘れた言葉達が街中を行き交い始め
太陽は、そっと日差しを強めながら西を目指す

星ゞとの再会に急ぐ月は西へと急ぎ昇り
夜空の一隅を、漫ろ歩く空の端に着き
鳥の巣を抱いた森は少し騒がしく
陽を受ける事のなくなった葉が舞い落ちる

涙で出来た遊具が使われなくなるように
抱かれることを忘れた心は窓際に萎れ
シンとした室内の空気に凍えながらスイッチを押す

明るさに明るさを重ねて出来た影に指先を置くと
記憶は遠く、ハッキリとした蜃気楼の中に消えるが
人気のないバーの開き扉が、風を待つばかりだった

湖面の波を撫で行く貴方の優しさが冷え
対岸に佇む影に届く時
ようよう私は、一歩を歩きだすのだ

重ねに重ねた言葉達が一つのことだけを示すように
重層した私と貴方とは、結局、一つの終わりを示し
そっと優しく重なりを解いて二方に別れ
木立の疎らになった、それぞれの森へと戻り行く

出遭いが終わりに置かれていたように
終わりは二人を祝福し、愛に満ち
涙で出来た女神像の傍らを過ぎて大地に戻る

陽の下で重なる二つの影と影は、いつでもそうで
その輪郭が景色に溶け馴染むことを待たずに
静かに月と星とに別れ、空を駆け昇るのだが
空跨ぐ銀河の川端で、月はその姿を見守るのだ
2012-05-06 12:20 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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