月夜の森を吹く風は

沈む陽を追い掛けて消える紺碧の空は
静かに闇を纏いつ一つ星を抱え
淡い暈に抱かれた月が天空を目指す

残り雨の匂い含む風を受ける屋根に立ち
灯る灯、消える灯、ちらつく灯と渡り
寂しさは孤独を置いて、記憶を仰ぐ

雲のない空に白鳥達が舞い上がり
残った一羽が湖面に映る自らを見ているが
その奥には仲間達の遠ざかる姿しかなく
涙を一粒落し影を消す

やがて訪れた闇に梟の鳴声が木霊し
追われた鼠の草葉を踏む音は途絶え
木々の葉の擦れる音だけが世界を包む

遠き、高き山から出で続ける湧き水は
闇に黒く透き通ったままに川を成し
やがて朝の光を浴びるのだろう

孤独に凍り付きながら、月は微笑み
遠い世界に仄かな光を届け続けるが
誰もが光を見るだけで
月を仰ぐこともないままの
時の止まった夜は更けゆく
2012-05-08 10:48 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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