所有権の忘れた景色

吹くことを忘れた風の音が月に響き続け
星々は凍えて震え

太陽のない空が消えて蘇った記憶は水面に散り
光は止まったままに輝きだけが留まり
時は静けさの中に沈み込む

あらゆる所有物を放棄させられたままの人々は
互いに与えるものなく奪うことすら忘れたままに
何も映さない、その瞳には過去が宿ったが
昨日の微笑みだけは戻ることがなかった

坂道を上ることのないバスが一台
下ることも止まることも許されないままに
ドライバーの操作を待ち続けていたが
運転席は空席のままにドアの開くこともなく
通り過ぎるばかりの足音だけを聴いていた

優しさを抱いた胸が全て
子供達には閉ざされているように
開いたままのドアだけが
音もなく開閉し続けているだけだった
2012-05-27 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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