猫のいる風景を好きになれない理由

語り尽くされて訪れた別れが
何一つとて語り合いを伴わないように
哀しみに色を失った街があり
その街並みを愛する猫がいた

黒い月が空を渡る夜には
満天に散る星達が顔を顰め泣くが
虹の歌声は、その夜の余韻に蘇り
月の通る道を辿り往く

決して遠くまでは届かない汽笛が響くと
汽笛の聴こえない人達だけが振り返っては
姿の見えない汽車を見遣り
冷めていくレールを想い出すだけだった

そうしていずれ、全ての人が去った街の闇中で
鳴くことを諦めたはずの猫の鳴き声だけが細く長く
ただ、いつまでも誰もいない道を過ぎていた
2012-06-13 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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