涙を追うと飛行機雲に出遭った

夕陽に向かった飛行機が残した軌跡は
東から西へと細長く棚引かれたが
下弦の月が追う暇も与えずに消え
迫り来る闇夜に、月は辿る道を見失う

哀しみを捨てた夜には霧が泣くので
冷え切った建物達は湿り気を帯びて軋み
やがては貴方の頬も濡れそぼり
私の指は、その唇をなぞって渇きに飢える

二人の歩き出す時はホームに留まったまま
来るはずのない電車を待ち続けるが
途切れがちな灯だけがチカチカと光り
二つの影が重なることはなかった

見えない星を追って貴方の涙は流れ
私の頬には違う涙が伝ったが
ホームを吹く風は霧を運び
二人と全てを覆い隠してしまう

点滅する光には偽りの優しさがあったが
光の中に浮かぶ二人を繋ぐものはないままに
背け合った冷たい背中だけが
あるはずもない互いの温もりを
当所もなく求め続けていた
2012-06-18 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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