水平線に沿って時は流れ

いくつもの船の目指す入江に立つ灯台があり
揺らめく灯は忘れ去られた涙達が空へと還ることを示すが
私達の間に灯る過去は記憶を失ったままに揺らめいて
語られるべき言葉達すら還る先もなくループし続ける

留めようのない時を追うと
振り返られない記憶の欠片達は、ただ過ぎ行き
誰も辿り着けない深海の雪となって
降り積もるままに仄かな光芒を放つ

遠い波間を彷徨う一粒の種子は
砂浜にすら辿り着くことのないままに
風に吹かれ落ちた時を想い
星の光を浴びた夜に、静かに海に沈む

戻る時の手には茫洋としたコンパスしかなく
過去の景色も輪郭だけは鮮やかだが
額の枠内にあった全ては黒く塗り潰され
見ゆるべきものとて何物もない

鏡を過ぎる影を恐れるように
見えないことだけが私達の哀しみの全てで
足音だけは誰のものとも知られぬままに
私達の掌中に残され、永遠に響き続けている
2012-06-19 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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