ラブ・レターは届かない

その優しさを追うと必ず雪が舞い
乱れた足跡が数歩分、残されるだけで
全てが今の雪面に変わった

疎林を抜けた風は頬の涙を許さず
哀しみに穢された指先は悴み
ただ歩くことの難しさだけを想い歩いた

哀しみが前行く哀しさを追い抜くと
哀しさは立ち止まり私達をも包んだが
二つが交わることはなく
パラレルな涙が空を渡るだけだった

ドアを開けると時が流れ込んで来たが
手紙に書いたはずの言葉も何処かへと去り
結局、決して世界に出ることはないのだ

ポスト前に立つと集荷員が笑顔を向け
握り締めた空封筒を指差したが
忙しげに手を振って去り
私には曖昧な笑顔だけが残された

やがて0時を告げるチャイムが響き
一日の過ぎたことを知る度に
また明日も書くだろう手紙を想っては
貴方の面影も消えてゆく
2012-06-23 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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