小雨が降り、太陽に手が届く気がした

誰にも見つからない細心の注意を払われ
実際、誰にも見つかることのない痕跡こそが
何よりも深い傷を世界に刻み
その所有者の存在を強くする

一方で誰にでも見つけられるよう
明確な輪郭を保った痕跡があり
実際、誰もがそれを目にするのだが所有者は忘れられ
希薄化されゆく存在が断末魔の叫びを上げ
しかし何処にも響くことなく消音する

ところで貴方の歩くアスファルトには
前を行っただろう犬や猫、鳥達がそうであったように
誰のものでもない足跡だけが残るので
辿る私は一体、何を辿り
何処に辿り着こうというのだろう

昨日の夜中に降った小雨は
屋根打つ音を鳴らすこともないままで
あまりに小降りに過ぎたのだが
私の頬を確かに濡らしたはずだのに
今朝にはもう、道も何も乾いていた

ただ酷く濃い霧がたち込めていて
薄い虹の傘を纏った霧向こうの太陽は
あたかも手が届きそうに淡く
しかし、手が届くことは決してなかった
2012-07-10 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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