貴方の足跡が消えた時

淡くクリームがかった壁が
新しい上塗りをされたもので
古びたポール・フォルダーは、しかし
掲げるものも無いままに少し
ペイントが延べてしまってきていて
無い筈の旗を微風になびかせていた

忘れられたフックに巻き付けた紐が
本体のないままに存在感を増し
実は、ついでに巻き付けられただけだのに
本体以上のナニカになってしまう
そういうことなのだろう

貴方を追うために足跡を辿って
遠くまで来てしまったけれど
結局、足跡はどこまで行っても消えることがなく
ただ私は貴方の足跡だけしか追うことが出来ない

あまりに当たり前のことに気付いた時に
少し冷たい雨が進もうとしいていた先から降り寄り
これから追うはずだった貴方の足跡を消し
私は会えないままの貴方に会う予感と共に
雨の冷たさに酔い続けていた
2012-07-21 00:00 : 想葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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