雨の中の木霊

 もう悲しむことはない、悲しまなくていいんだよ
あなたは言ってくれた
そのときの瞳はあまりに真剣過ぎて、怖かった
だから私は頷くしか想い付かなくて
 ねぇ、覚えてる?あの海で、あなたは笑っていた
そう、私も笑っていた、あの海で
二人で笑って笑って走り回ったの
 いつまでも笑っていられると
すれ違う視線が遠ざかるほど二人の想いは近付いていく
 いやだ、いやだ!なにが、いや?
あなたは、いつも正直だった
だからなの、きっと、だからに違いないの
私は、あなたの正直さに疲れたの
 嘘にまみれてでも笑っていたいのよ
ああ違う、それもきっと嘘だ
あなたに透かされた私の影が薄くなる
そう、あなたが、あなたであるほどに
私は私でなくなってしまう
 だから、なの
届かない「だから」
困惑した、あなたの顔を見ることが出来ない
悪いのは私?あなた?それとも誰も悪くはないの?
でも私は知っている
あなたが傷つくことを
それを喜ぶ自分を
 だから、別れましょう
静かに降り続く雨の街で、私の声が響き続けてた
 別れましょう
2006-08-03 21:46 : 消去一葉 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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